創造都市ネットワーク日本

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2016.11.30
創造都市政策セミナー

創造都市政策セミナー in 高松 「創造産業の育成から見る創造都市」

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文化庁 平成 28 年度文化芸術創造都市推進事業
創造都市政策セミナー「創造産業の育成から見る創造都市」

日  程: 2016年10月12日(水)、13日(木)
テーマ: 「創造産業の育成から見る創造都市」
主 催: 文化庁、創造都市ネットワーク日本(CCNJ)
共 催: 香川県、高松市
会 場: サンポートホール高松第1小ホール(312席)
参加者数:約190名

<第一部 先進都市による事例発表>
宮田人司氏(株式会社CENDO代表取締役/Creative Director)
上町達也氏(株式会社雪花代表取締役)
槻橋修氏 (「デザイン都市・神戸」創造会議委員)
人見訓嘉(高松市創造都市推進懇談会会長)
 
<第二部 基調講演「クリエイティブ産業振興の現場から~大阪・メビック扇町の活動を通して」>
堂野智史氏 (公益財団法人大阪都市型産業振興センター クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック扇町所長)
 
<第三部 スペシャルディスカッション>
ファシリテーター
吉本 光宏氏(ニッセイ基礎研究所 研究理事)
パネリスト
宮田人司氏(株式会社CENDO代表取締役/Creative Director)
上町達也氏(株式会社雪花代表取締役)
槻橋修氏 (「デザイン都市・神戸」創造会議委員)
人見訓嘉(高松市創造都市推進懇談会会長)

 


▼先進都市による事例発表
事例発表 宮田人司氏
クリエイティブベンチャーにおいて、民間、行政夫々にしかできたい役割があり、eAtや自身のクリエイター支援事業を元に事例紹介した。発表中には、自身が金沢に来るにいたった経緯やGEUDAの活動内容を話すなど、クリエイターにとって地方で仕事をすることの意義も織り交ぜて語った。若いクリエイターのチャレンジ、新しいブランド立ち上げにも共に挑んでいく姿勢を示した。
 
事例発表 上町達也氏
株式会社雪花の事業を簡単に紹介し、器やギターなどブランドの商品化までに軌跡を展開した。地域の職人、作家、工業に携わる人と協業し、プロダクトアウトしたものが評価され実績を作ってきたと明らかにし、自身の事業、仲間のクリエイター活動をリアルに紹介した。
雪花が金沢に集まるクリエイターのハブとなりクリエイター活動を盛り立てていく意思を語り締めくくった。
 
事例発表 槻橋修氏
リバブルシティーを例に、町が多機能であり、クリエイティブな活動の可視化、市民の自己表現の機会はクリエイティブシティの重要な要素であるという見解を示した。ワークショップやイベントのプラットフォームの役割をする、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)の事例を多数紹介し、復興後の神戸の在り様を示した。市民の参加と発案、行政がうまく連動することで神戸は変化の過程にあると述べ締めくくった。
 
事例発表 人見訓嘉氏
社会が成長期から成熟期へ移行し、現代は多様性がキーワードの個の時代にあるという見解を示し、地域で地域の課題を解決し、持続可能性の担保が求められる時代にあると述べた。また、高松市は創造都市推進に子どもをイメージとして持っていることを評価し、子どもの思考を育む亀岡ドリル、芸術士派遣事業などの事例を紹介した。教育を通して自尊感情を育み、それが発展のベースになると考えていると締めくくった。

 

 


▼基調講演 堂野智史氏
メビック扇町の仕組みや構築されたクリエイターのネットワークの事例、創造された事業による収益等数字や多様な写真を用いて説明した。加えて、クリエイターと事業をする行政側、民間企業側の数字や評価で事業を図る姿勢を改めるべきだと言及した。細分化されたクリエイティブビジネス業界には、インキュベーション施設のようなクリエイターの集う場が必要であり、繋げる役割が必要不可欠であると述べ締めくくった。
 
 

▼パネルディスカッション
ファシリテーターの吉本氏が創造産業は、創造的芸術、映画などの中核的な文化産業、出版やテレビなどの広義の文化産業、文化関連産業と4階層に定義されると述べ、創造的芸術いわゆる芸術そのものとプロダクトの関係性に焦点をあてディスカッションが展開された。
上町氏より、アートとプロダクトとのアプローチの違いについて、最初にアートと向き合いその結果商品化されていると述べられ、宮田氏は純粋に芸術だけの者より最終的にビジネスにつなげようと試み、変革を楽しむ者を支援していると述べた。
吉本氏からの、瀬戸芸は住民或いは子どもたちに何かしらの直接的影響はあるのかという問いに、人見氏は直接的なクリエイティビティ―はまだ先の話であり、子どもをはじめ人々の自己肯定感や開放感が高まった後になると述べた。
槻橋氏は、社会課題解決にプラスデザインで取り組み、間接的に関与することで創造産業の場を育てていくと述べ、堂野氏は、公共政策としてクリエイターやプレーヤーが活躍できる機会を創設していくことを望む意向を述べた。

※セミナー翌日は、瀬戸内国際芸術祭<女木島・男木島>視察が行われました。

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