文化庁 平成 25 年度文化芸術創造都市推進事業
創造都市政策セミナー「メディア芸術と創造都市」
日 程:2013 年 11 月 2 日(土)〜3日(日)
テーマ:「メディア芸術と創造都市」
主催:文化庁、創造都市ネットワーク日本(CCNJ) 共催:新潟市
会 場:新潟東急イン
シンポジウム 「メディア芸術と創造都市」(11 月 2 日 13:30~17:00)
ファシリテーター:
太下 義之氏(三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 芸術・文化政策センター 主席研究員/センター長)
パネリスト:
札幌市 酒井 裕司氏(札幌市市長政策室プロジェクト担当部長)
京都市 白須 正氏(京都市産業観光局長)
新潟市 木村 勇一氏(新潟市文化観光・スポーツ部長)
太下氏をファシリテーターにお招きし、第一部では札幌市、京都市、新潟市の3都市におけるマン ガ・アニメ・プロジェクションマッピングなど「メディア芸術」をテーマとした取組が発表されまし た。
まずはじめに、太下氏より、本日のテーマであり、日本の強みでもある「メディア芸術」をいかに 活かしていけるのかということが、日本における創造都市の大きなチャレンジになるだろうという議 題導入がなされました。一番手として、札幌市の酒井氏より新たな都市ブランドづくりを目指す取り 組みを紹介。「札幌版メディアアーツ」として都市全体をメディアアーツとして発信していこうとする札幌市らしいフロンティアスピリットに溢れた内容が発表されました。続いて、京都市の白須氏より 「コンテンツ産業振興」に焦点を絞ったプレゼンテーションが行われました。映画・ゲーム・漫画を クロスメディア・クロスミックスし、次世代の京都の産業を振興するという、新たな京都市の一面が 紹介されました。最後はホストシティ新潟市の木村氏より、「マンガアニメを活かした町づくり構想」 の事業展開、他に類をみない「行政単独アニメ」の上映とその活用手法など、独創的な展開をみせる 新潟市の取り組みが発表されました。その後は太下氏の質問に対し、各都市が回答するという形をと り、より掘り下げた議論が行われました。
スペシャルインタビュー「『へうげもの』からみる創造都市」※新潟市主催
ゲスト:
田村一氏、金理有氏(クリエーター「激陶者集団へうげ十作」)
藤沢学氏(株式会社講談社モーニング編集者)
後半は、アーティスト、クリエイターから見て創造性はどのような時に発揮されるのか、をテーマ に「激陶者集団へうげ十作」から陶芸家の田村氏、金氏、そして漫画「へうげもの」作者、山田芳裕 先生の担当編集者である株式会社講談社 週刊モーニング編集部の藤沢氏を、ゲストに迎えスペシャ ルインタビューが開催されました。
藤沢氏からは「へうげもの」というマンガ、二次元から三次元に展開していく経緯。田村氏、金氏 はそれぞれの作品と活動が紹介されました。それらの体験に裏付けられたコメントや、時には辛口な 意義深い意見が数多く出され、会場をおおいに沸かせました。
入門セミナー 「創造都市が目指すもの」(11 月 3 日 9:30~12:00)
講師:
佐々木 雅幸氏(大阪市立大学大学院創造都市研究科教授/同都市研究プラザ所長)
野田 邦弘氏(鳥取大学教授 地域学部教授)
事例発表者:
高松市 宮武 寛氏(創造都市推進局局長)
金沢市 松本 尚人氏(都市政策局企画調整課政策推進グループ長)
横浜市 奥田 裕之(創造都市推進課長)
2日目の入門セミナーでは、創造都市の具現化とネットワーク構築に取り組む佐々木氏、野田氏を 講師に迎え、「創造都市」の最前線を走る高松市、金沢市、横浜市より、各都市の推進ビジョンならび にこれまでの実績と今後の方針が発表されました。
佐々木氏より、創造都市推進活動の歩みの振り返りと今後のグローバル展開も含めた創造都市活動 の方向性に関する問題提起がなされ、高松市・宮武氏より、「人間中心の都市」をゴールに掲げ、局内 だけでなく若い力と地域の力を柔軟に取り込み施策とともに新たな組織を生み出していくといった、 非常に勢いのある高松流「創造都市」の取組を発表されました。続いて、金沢市・松本氏は、文化と 経済のバランスがとれた都市として歴史を積み重ねてきた金沢の手仕事にまつわる数々の取組の紹介 の他、2015 年にユネスコ創造都市ネットワークの年次総会開催地が金沢に決定したことが報告されま した。最後に横浜市・奥田氏より、横浜トリエンナーレをはじめとする多くのアーティスティックな 事業展開を振り返り、2014年に開催される東アジア文化都市の取組について発表されました。
野田氏の考察が行われると、創造都市の取組をリードする各都市の発表に刺激を受けた会場からは、 多くの意見・質問が飛び交い、盛んなディスカッションが行われました。
以上