文化庁 平成26年度文化芸術創造都市推進事業
創造農村ワークショップ「創造農村と文化景観ツーリズム」
シンポジウム 「創造農村と文化景観ツーリズム」
日 程: 8月10日(金) 9:30〜12:30
場所: 東川町地域交流センター 多目的室
主催: 文化庁、創造都市ネットワーク日本(CCNJ)
共催: 東川町
<基調講演 講師>
敷田 麻実氏(北海道大学観光学高等研究センター教授)
<ファシリテーター>
野田 邦弘氏 (鳥取大学地域学部地域文化学科教授)
<パネリスト>
浜田 哲氏(美瑛町長/「日本で最も美しい村」連合会長)
貝沼 航氏(株式会社明天 代表取締役/テマヒマうつわ旅 主宰)
松岡 市郎氏(東川町長)
敷田麻実氏(北海道大学観光学高等研究センター教授)より、「創造農村とツーリズム:都市と農村の新たな関係を創る」と題し、基調講演が行なわれました。まず観光、ツーリズムの意味と都市と農村の関係性の解説があり、クリエイティブツーリズムによる創造農村という提案を述べられました。そこでは具体的な事例や、創造農村を主体としたツーリズムとするために注意点に触れ、地域資源を活用するためのナレッジマネジメントの重要性が語られました。
次のプログラム「パネルディスカッション」では、パネリストが自身のまち、または事業の取組について紹介を行いました。
最初に浜田哲氏(美瑛町長/「日本で最も美しい村」連合会長)が美瑛町と「日本で最も美しい村」連合の取組について語りました。美しい村連合との出会いから発足までそして「小さな輝くオンリーワンを持つ農山村が自らの地域に誇りを持って自立する」という理念に基づいた広域的な活動が紹介されました。
次に民間の立場から地元工芸の会津漆器の振興を行なう貝沼航氏(株式会社明天 代表取締役/テマヒマうつわ旅 主宰)が、その魅力と直面する課題を見つめ、試行錯誤しながらも、終止現場に密着した活動を熱く語られました。最後にこの活動が工芸品を使う側に魅力を伝えるだけでなく、作る人にも誇りをもたらすことができるという側面に言及し、後の質疑応答では可能性を感じた参加者からも多くの質問・意見が交わされました。
最後に地元東川町松岡市郎(東川町長)氏が、「写真文化首都」を宣言した経緯や「それぞれ得意な分野を東京から地方に」という熱い想いを語られました。その他写真だけに留まらないオリジナリティ溢れる取組を紹介。「人口増加」という目に見える効果をもたらしたこれらの取組に、参加者の関心が集まりました。
それぞれの発表の後、ファシリテーター野田氏の解説や一般質問を交えながら、地方にこそ残る固有の価値や文化に焦点をあてた、これからの観光のあり方、またまちづくりの進め方について掘り下げた議論が行なわれました。最後に野田氏が、個々の地域のまちづくりを進める上で、交流・ネットワークといったものがキーワードになる、とその重要性を語り、閉会しました。
※シンポジウム前日の視察ツアーでは、東川町国際写真フェスティバル「写真の町東川賞受賞式」への参加や、上水道の存在しないまち東川町の水源である「大雪旭岳源水」の視察が行われました。