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世界創造都市シンポジウム

2015.6.30

文化庁 平成 27 年度文化芸術創造都市推進事業
世界創造都市シンポジウム 「世界の創造都市に学ぶ」

日 時:2015年5月25日(月) 15:00-17:00
会 場:ホテル日航金沢 4階 鶴の間
主 催:文化庁、創造都市ネットワーク日本
共 催:金沢市
後 援:北國新聞社
テーマ:「世界の創造都市に学ぶ」 
参加者:約120名
登壇者:
ボローニャ市経済発展、シティプロモーション、観光、国際関係およびデジタルアジェンダ担当 市長代理 マッテオ・レポレ氏
モントリオール市デザイン・コミッショナー、都市経済計画部デザイン担当局長マリージョゼ・ラクロワ氏
山形市長 市川昭男氏
新潟市長 篠田昭氏
篠山市長 酒井隆明氏
 ファシリテーター: 
創造都市ネットワーク日本顧問 佐々木雅幸氏

本シンポジウムは金沢で開催されるUNESCO創造都市ネットワーク会議・金沢2015に併せて、創造都市ネットワーク日本の加盟都市が集い文化芸術を生かした都市の再興と社会課題の解決をテーマに、UNESCO創造都市の経験から学ぶとともに日本国内の各都市の知見や経験の共有をはかることを目的として開催された。

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▼事例発表
マッテオ・レポレ氏
深い歴史を持つボローニャは、ボローニャ大学の総合芸術学部(DAMS)をはじめとした、教育・研究機関が集積された若い文化の中心地でもある。また、様々な分野の音楽活動や、マーケットが活発に行なわれている。国際的な取組事例を2つ紹介しながら、ボローニャにとってそれら文化や文化的な遺産が重要であり、創造性と文化の振興が将来戦略の要であると述べ、ユネスコのネットワークの一員であることと、都市間連携の重要性を語った。

マリージョゼ・ラクロワ氏
モントリオール市の創造都市政策としての取組は、1991年に遡り、それらによって、世界的にもよく知られたデザイン都市となった。クリエイティブシティとしての挑戦を様々な事例と共に紹介し、それらが生活の質を高め、デザイン都市としての価値を高めていると語った。最後にクリエイティブ産業の発展には、他の都市と交流を深めることが重要であると述べ、ネットワークの価値を強調した。

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山形市長 市川昭男氏
山形は市民の生活に映像が根付いてきた土地であり、その中で生まれた山形国際ドキュメンタリー映画祭は今年で14回目を迎え、この分野での世界最高の映画祭のひとつである。山形から生まれた多彩な映画や、映像に関する積極的な市民活動、震災後における取組を紹介し、映像が重要な歴史・文化資源の一つであると語った。最後に、山形市は映像による力を基に創造都市を推進し、ユネスコ創造都市ネットワーク加盟を目指すと宣言した。

新潟市長 篠田昭氏
アジア文化都市」に選定されたことを紹介。また農業と食が、新潟市の宝であり、それに基づいた文化や産業をさらに高めるための取組の数々を示し、さらなる取組と世界に向けた発信、貢献のために、ガストロノミー分野でのユネスコ創造都市ネットワーク加盟を目指すと宣言した。その上で、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて文化プログラムへの抱負を語った。

篠山市長 酒井隆明氏
篠山の特産、京文化の影響を受けた祭等を紹介。「農、美しい町づくり、文化の薫り、自然」を柱に、景観、農地を継承していくために様々な条例を施行していることを紹介した。そして今後「食と器」に力を入れ、「食と器の国際ビエンナーレ」を行なっていくといった抱負を述べた。最後にユネスコが本年より申請の基準に「人口10万人以上の都市」を加えたことに触れ、小さなまちでも認定が認められるべきではないか、様々な価値を認めあうのが筋ではないのかと訴えた。

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▼ディスカッション
全ての発表が終了したのち、ファシリテーターに佐々木雅幸氏を迎え、ディスカッションが行なわれた。

全ての発表が終了したのち、ファシリテーターに佐々木雅幸氏を迎え、ディスカッションが行なわれた。
まず、人材育成をテーマに質疑が行なわれ、レポレ氏から、ボローニャにおける民間と政府の恊働による起業の支援プログラムによって、物資、ネットワーク作りのサポートを行なっている事を述べた。また、子どもたちが企業家精神を養うためのプログラムを紹介。若い人にチャンスを与える重要性を語った。
ついで、ラクロワ氏より、モントリオールが世界に誇る「シルクドソレイユ」の運営についても絡めながら、若いアーティスト、建築家に対してマーケットを提供するプログラムに触れ、市が責任をもって、デザインの領域を守っていくという決意を述べた。
次に新潟市より文化支援に対する市民の理解、支持の形成方法、現状についての質問があった。
レポレ氏からは、まず市民の気付きが大事であるということ、戦略を作り市民の合意を得て、環境を作っていくというプロセスを示した。
ラクロワ氏からは教育や、市民が楽しみ、関心を持つことの重要性を語り、様々なサポートが行なわれているモントリオールにおける現状を紹介した。
最後に、認定を目指す国内3都市に対するアドバイスが求められた。
レポレ氏からは、まず都市の戦略、将来像をしっかりと示すことが重要であると提言、山形市と新潟市へそれぞれ助言した。
ラクロワ氏は、篠山市の戦略や3都市の地方政府のバックアップ力を評価した上で、市民の継続的な活動の重要性を述べた。最後に、ネットワーク加盟は遺産ではなく、継続する長期的なプロジェクトであり、都市として持続可能な発展をどう目指すのか、申請書類の中で示していくということが重要であると強調した。
佐々木氏から、レポレ氏とラクロワ氏への感謝の意を述べ、閉会した。

※シンポジウム翌日からは、「ユネスコ創造都市ネットワーク会議金沢2015」市長ラウンドテーブル等のモニター聴講が行われました。

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