中之条町
- 「伊参スタジオ映画祭」山の中の小さくて大きな映画祭 シナリオ大賞ほか、各受賞者
中之条町は群馬県の北西部に位置し、新潟県と長野県に接する、人口17,000人の中山間地域の小さな町です。
江戸時代から地域の宿場町として栄え、現在まで郡の政治、経済の中心地を担っています。また四万、沢渡、尻焼などの温泉地も9を数えます。 しかしながら平成以降の近年は、少子高齢化がすすみ、商店の空き店舗化、企業の廃業などが目立っています。
そのような中、町では文化の力で地域を元気にしようと大きく二つの文化事業「伊参スタジオ映画祭」と「中之条ビエンナーレ」を継続支援しています。
主な創造都市(農村)の取組紹介
伊参(いさま)スタジオ映画祭
2001年からスタートし毎年秋に行われており、2013年には第13回を迎えた「伊参スタジオ映画祭」。本映画祭は、若手の映像作家に映画制作のチャンスを与えるべく、全国からシナリオ大賞を公募。400作を超える応募の中から短編・中編の大賞を各一名決定します。受賞作は中之条町をロケ地として映画化され、翌年の映画祭で上映が約束されています。受賞者の中からはこれまでに第一線で活躍する映画監督も輩出しています。映画祭の本拠地は、旧伊参第四中学校を廃校活用。体育館が映画祭の上映会場にもなっています。地元上毛新聞社や町内外からの有志により手作りで行われる当映画祭は、「山の中の小さくて大きな映画祭」として映画関係者や根強いファンに支えられ長く継続されています。
中之条ビエンナーレ
2007年に6名のアーティストが企画提案し町が支援する形でスタートした美術祭で、2013年には第4回目を迎えました(隔年開催)。公募から選考会を経て決定する作家は約100名。滞在制作を基本とし、数か月~半年の時間をかけて制作に取り組みます。中之条町に点在する空き家や空き店舗、旧木造校舎や酒蔵、製材所等を展示会場とし、来場者は町を巡りながら鑑賞。開催中は町が様変わりする程の賑わいを見せ、町のイメージアップに寄与するまでに急成長しました。また、現代アートとともに来場者からは町の魅力や町民のもてなしに対する評価が高く、当ビエンナーレの大きな特徴となっています。
町にとっては地域資源の発掘・再確認の、町民には自信と誇りを取り戻すかけがえのない機会となった中之条ビエンナーレ。今後はこの取り組みを総合的な町づくりにどう生かすか長期的な戦略が求められています。
- 「中之条ビエンナーレ」町民が提供した照明の笠が作品に(「彼方」作家:山口貴子)
- 「中之条ビエンナーレ」アートツアーに参加のこどもたち(「ビフレスト-橋-」作家:藤原京子)